第三者評価 「エコデザイン工学」教育プログラム
富山高等専門学校エコデザイン工学教育プログラム
富山高専では、機械システム工学科、電気制御システム工学科、物質化学工学科(平成27年度の専攻科2年生までは、機械工学科、電気工学科、物質工学科、環境材料工学科)の4、5年とエコデザイン工学専攻を複合した「エコデザイン工学」教育プログラム(Education Program for ECOdesign Engineering)を設定しました。
この教育プログラムが、国際化に対応した技術者教育を行っている高等教育機関として、日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education;通称 JABEE)から2004年度より認定を受ております。
(平成27年度 専攻科1年生以降)
(平成27年度 専攻科2年生まで)
プログラム名について
「エコデザイン工学」の「エコ」は、Environmental Consciousness(環境配慮)の頭文字からなる合成語です。これは特定の技術を意味するのではなく、全ての技術が目指していくべき方向です。またこの「エコ」は「E+Co」であることから、図に示した5つの「E」と4つの「Co」が複合的に結びついています。「エコ」の考えの下に専門工学と基礎的教養的分野をすべて包含して体系化したものを「エコデザイン工学」と定義し、JABEE教育プログラムの名称としました。
(平成27年度 専攻科1年生以降)
(平成27年度 専攻科2年生まで)
本プログラムが育成を目指す自立した技術者像
本教育プログラムでは、「工学全般の基礎知識と優れた技術を有したエンジニア」、「環境に配慮した技術、すなわちエコテクノロジーを使うことのできる技術者」、「人・地球との共生の精神を有したグローバルエンジニア」を養成することを目的としています。
「エコデザイン工学」教育プログラムのネットワーク
「エコデザイン工学」教育プログラムは、地域産業・地域環境・地域社会と密接に結びついています。そしてグローバル時代を迎え、地域エリアばかりでなくグローバルエリアを見据えて、地球環境・資源の枯渇などの問題に対処し、かつ地域の産業界が積極的に展開している海外市場や技術の海外移転などにも対応できる技術者の育成を図っていきます。
(平成27年度 専攻科1年生以降)
(平成27年度 専攻科2年生まで)
学習・教育到達目標
1 国内外の多様な社会で活用できるリベラルアーツと高い倫理観を有し、科学技術が社会や環境に及ぼす影響を理解している
- 自分とは異なった文化圏から来ている人々と交流し、他者・他国の立場にたって物事を考えることができる。
- 幸福・福祉や豊かさなどの多元的な概念を認識し、自己を確立することができる。
- 自分自身の生きている現代社会について、歴史を踏まえて経済・法律・習慣などの面から説明することができる。
- 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に対して負っている責任について理解し、説明することができる。
- 工学的な諸問題に対処する際に必要な数学、自然科学及び情報の基礎的知識を理解し、それらを適切に活用することができる。
- 設計・システム、情報・論理、材料・バイオ、力学、社会技術に関する基礎知識を理解し、簡単に説明することができる。
2 高度な専門知識を体系的に修得し、その知識を応用・実践し社会実装できる
- 核となる専門分野の既存技術を説明でき、社会から要求されている問題や実務上の問題を見出し設定することができる。
- 日本語及び英語による技術論文を、著者の意図に沿って読解し、その内容を説明できる。
- 実験を計画・実施し、データの正確な解析に基づいて工学的に考察し、かつ論理的に説明することができる。研究においては与えられた制約の下で必要な援助を得て計画的に研究を進め、期限内にまとめることができる。
- 技術者として自立するために、環境対策や新技術のコンセプトを説明できる。
- 英語による200語程度の短い技術文が書け、英語で技術に関する簡単なコミュニケーションをとることができる。
- 自分自身が伝えたい情報・意見を日本語で論理的に記述することができ、またプレゼンテーションにおいて発表・討議することができる。
3 自らの意見を表現するとともに、多様な人々との協働を可能にするコミュニケーション能力を身に付けている
- 持続可能な社会を構築するためのエコテクノロジーについて説明することができる。
- 工場見学を通じてその地域の産業構造を理解し、説明することができる。
- 実社会における生産活動を体験し、その経験を学生生活に反映することで、知識と技術とを結びつける、技術者としての役割を理解し説明することができる。
- 専攻科の特別研究や本科の卒業研究を通して、研究・学習状況の把握や記録を習慣づけ、自主的・継続的に学習することができる。
- 正解が一つとは限らない問題に対して、グループで検討・考察し、問題点を抽出、実現可能な解を積極的に提案・評価することができる。
JABEE基準1(2)の項目
- (a)地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
- (b)技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
- (c)数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力
- (d)当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
- (d-1)専門工学の知識と能力
- (d-2)いくつかの工学の基礎的な知識・技術を駆使して実験を計画・遂行し、データを正確に解析し、工学的に考察し、かつ説明・説得する能力
- (d-3)工学の基礎的な知識・技術を統合し、創造性を発揮して課題を探求し、組み立て、解決する能力
- (d-4)(工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し、適切に対応する基礎的な能力
- (e)種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
- (f)論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
- (g)自主的、継続的に学習する能力
- (h)与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
- (i)チームで仕事をするための能力
「エコデザイン工学」教育プログラム修了要件
次の要件を全て満たした専攻科修了者に、「エコデザイン工学」教育プログラムの修了証書を授与する。
- 専攻科において必修科目を全て修得していること。
- 専攻科において62単位以上(一般科目は8単位以上、専門科目は54単位以上)修得していること。
- 学士の学位を取得していること。
- 本教育プログラムにおいて、124単位以上を修得していること。
- 学習・教育目標の達成評価対象とその評価方法及び評価基準(別表3)を充足していること。
履修対象者
「エコデザイン工学」教育プログラムの履修対象者は、高等専門学校を卒業し,本校の専攻科入学試験に合格、専攻科に入学した者です。