世界に学び地域に還す,ものづくり環境教育 〜多文化共生・持続的社会の実現に向けた技術者の使命を学ぶための〜

富山工業高等専門学校と富山商船高等専門学校は、
2009年10月1日に高度化再編し、富山高等専門学校が誕生しました。

調査報告:平成21年度大学教育改革プログラム合同フォーラム

主催
文部科学省・財団法人文教教会
日時
平成22年1月7日(木)・8日(金)
会場
東京ビッグサイト会議棟
参加者
長山昌子,早勢欣和
目的および内容
1)基調講演(1月7日10:30~11:45)
「大学教育改革の課題と展望」東京大学名誉教授 天野郁夫
 「大学変革と課題」が繰り返し叫ばれるが,解決がされていないように見えるのは,課題がどこまで達成されたかどうかが見えてこないからである。これまでの大学変革の歴史は3つに分けられる。それは①1960年代②1990年代③2008年である。
 1964年に大学進学率は10%であったが,1965年には17%,1971年には24%,1985年には38%に達している。これは大学教育が一部のエリート教育から大衆化へと進んでいったことを示す。これにより,学生の意識が変わり,入学試験制度が変わり,入ってくる学生の学力が変わっていった。これは,大衆化した学生と依然としてエリート意識の残る大学の先生との対立を生み出した。
 1973年に新構想大学が設立された。筑波大学であるが,副学長制を取り,学部間を取り払い,管理一元化を図った。大学改革案が打ち出されたこの頃から,学生はサークル活動に興味を示し,学園生活に満足していった。
 1991年に大学教育改革が言われ,シラバスの公開,FD研修,TAの実施,大学編成の自由化が進められた。一般教養学部が解体され,共通教育として教えられるようになった。入学選抜方式が多様化し,推薦入試,AO入試が取り入れられ,学生の入学数が増加した。これは大学生の質の変化をもたらし,大学でも補習授業が行われるようになった。この時代,大学では研究重視が7割,教育重視が3割であり,教育が重要視されないまま推移していった。
 2005年に出された中教審答申では,大学が独自に実施でき,文科省が支援するというモデル像を示し,政策誘導型で大学を指導するようになった。大学管理が進み,大学の教員の質的変化をもたらした。学生数の増加が,大学生の質的変化を生み,学習意欲の低下と多様化を促した。大学を出ても専門的職業に就けなくなったし,事務職や販売職に大学生が就く時代になった。大学=職業という安定的関係は無くなっていった。
 大学全入時代を迎え,学士課程教育の質の向上が叫ばれ,学士力が問われるようになった。大学では,入学から卒業までのポリシーを立てる必要から,アドミッションポリシーを立て,学習の成果が問われた。大学生の質を保証するためにも,事前規制ではなく事後規制の評価をチェックする時代に移っていった。また,大学の役割として「教育,研究,社会への貢献」が求められるようになった。
 大学改革として,カリキュラム改善,FD研修の実施,シラバスの作成が挙げられ実施率もほぼ80%~90%以上に達し,大学は答申に応えているのに,改革の実感が伴っていない。このような改革の小道具は,実はアメリカで実施されているものを日本の制度に取り入れたものである。日本は教育に関しては,性善説を取っているのだから,アメリカ生まれの改革の小道具が,日本の実態に合っているかどうかを検証する必要がある。日本の大学組織はヨーロッパからきているので,大学の組織作りの土台はアメリカとは違う。
 大学では,一般教養学部が解体され専門学部制に変わったが,学生の学力中心に考えると,この専門学部制という組織は難しい。日本の大学では,教養+研究+専門職業教育の3つの役割を担っているが,高等教育が普通化している時代なので,修士課程の教育内容を考える必要がある。
2)総合的な学生支援分科会 事例報告(1月7日13:30~15:00)
「マイライフ・マイライブラリー」東京女子大学図書館長 兼若逸之
 学生一人ひとりの潜在的な生きる力を引き出し,図書館を活気に満ちた知的探求の拠点となるように発展させ,学習支援のために学生アシスタントを積極的に活用する学生協働サポート体制を整備した。学生は学内外のサービスを利用できるようになり,社会人基礎力やキャリア構築力を身に付けることができるようになった。学生アシスタントとして「支援される立場」から「支援する立場」になり,学生の資質向上を図ることができるようになった。
「連絡システムに就職情報を統合した双方向ネット就職支援システム」東京家政学院大学副学長 岩見哲夫
 既存の大学・学生間の連絡システムに就職情報を統合させた機能を改構築し,タイムリーな就職情報や企業ニュースの提供,学生同士が情報を交換できるコミュニティの設定,ネット就職相談窓口の開設などにより,総合的に就職活動に対する支援を行った。OGも含めた大学内外で構成する「ネット就職支援WG」や,土日や長期休業期間中も円滑な業務ができるように担当者を置き,就職支援体制を充実させている。
「学生の3つの就職力一体形成支援プログラム」長岡大学経済経営学部教授 原田誠司
 学生就職支援として,学生リーダー研修の実施,資格取得講座の開設,学生の自己PR作成のための情報蓄積の導入,キャリアカウンセラーの設置,就職相談会の開催などを行い,学生の就職基礎力,情報力,展開力をつけさせるようにした。特に,地元商工会や企業との連携強化のために連絡協議会を開催し,事業報告を行い,評価を行うことで,課題を明確にし,取組改善を図っている。
2010.1.8