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 事例報告


1.「包みのテクノロジー 〜生活文化の向上を目指して」
松原 毅彦氏(東洋製罐株式会社海外事業部 課長)
 東洋製罐株式会社は、総合容器メーカーとして企業活動、製品及びサービスに関して環境を常に認識した経営を行っている企業です。CSR(環境・社会への取り組み)の一環として、消費者と直接対話する機会として、2006年からステークホルダーミーティングを行っています。4回目となる2009年度からは、「国連の持続可能な開発のための教育の10年」推進組織会議(ESD-J)の協力を得て、ESDの視点からみた東洋製罐への期待や協働について意見を交わしています。事例発表では、ESDに取り組む企業の立場から、期待する人材像についてのお話をいただきます。(参考 http://www.toyo-seikan.co.jp/


2.「The Toyama environmental literacy education model」

九里 徳泰氏(富山県立大学工学部環境工学科 教授
 富山県立大学では、平成19年度より現代GP採択事業として、「環境調和型技術の創造者を育成する富山型環境リテラシー教育モデルの構築」を実施しました。 事業の目的は、持続可能な社会の実現に向け、環境への広い視点と倫理観、即ち環境リテラシーを備えた人材の育成です。また、あらゆる高等教育機関で実施されるべき環境教育のモデルを提示することも目標としました。事例発表では、事業の成果を中心にお話をいただきます。(参考 http://www.pu-toyama.ac.jp/


3. 「富山高専における低炭素社会構築のためのものづくり教育プログラム開発」
高松 さおり(富山高等専門学校 助教)
 富山高専では、平成19年度の現代GP「世界に学び地域に還す、ものづくり環境教育〜多文化共生・持続的社会の実現に向けた技術者の使命を学ぶための〜」の採択を機に、教育技術センターを中心に技術者ESDに取り組んでいます。技術者ESDとして、既存のカリキュラムにESDの理念を取入れるとともに,外国との交流や種々のものづくり教育プログラム開発を行ってきた成果について報告します。(参考 http://www.nc-toyama.ac.jp/

 高専の設置は1962年に始まる。その背景として戦後の復興期から高度経済成長期に向かう中で,即戦力としての技術者育成に関して産業界から強い要請があったためである。その後,50年に亘って産業界を支える人材を輩出してきた。
 しかしながら,低炭素社会の構築など,持続可能な開発の重要性,緊急性が増している昨今,高専においても時代の変化に即し社会のニーズに対応した新しい教育にシフトする必要がある。すなわち,「問題対処型」から脱却し「問題発見・解決型」の教育への転換することはもちろん,専門分野を超えて地域や世界の人々と連携して共に知恵を生み出し,社会づくりに参画する技術者を育てなければならない。人類の持続的発展のための技術とは何か,自分ができることは何なのかを考え,小さな視点からではなく多様な文化と環境に調和した未来志向の視点をもって現実的に行動できる人材を育成するための教育プログラムの構築が不可欠である。
 新生国立富山高専では「環日本海地域の持続的社会を担う人材の育成」を教育目標に,「共存・共生」を教育理念のひとつに掲げているが,これはまさにESDの理念と合致している。既存のカリキュラムにESDの理念を取入れるとともに,新たにテレビ会議システムによる外国との交流,ロボットカー(コンピューター付電気自動車)を教材とする技術開発シミュレーション,種々のものづくり教育プログラム開発,韓国,中国内モンゴル地域,英国北アイルランド等における学生との相互訪問交流などに取り組んできた。
 今回は,著者らが取り組んでいる低炭素社会構築のためのものづくり教育プログラム開発等について報告する。


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基調講演


1.「わが国におけるESDの課題と展望」

阿部 治氏(立教大学社会学部 教授)
 立教大学社会学部・大学院博士課程異文化コミュニケーション研究科教授、専門は環境教育/ESD. 現在、同大学ESD研究センター長として日本を含むアジア太平洋地域の環境教育/ESDのアクションリサーチを行っている他、政府や企業、NGOなど多くの学外組織において持続可能な社会構築に向けた活動を展開している立場から、ESDについての概説と、技術者ESDへのご提言をいただきます。(参考 http://www.rikkyo.ne.jp/web/osamu/profile.html

2.「持続可能性と教育」
レンメン・アルネ氏(デンマーク オールボー大学開発計画学部 教授)
 オールボー大学は,デンマーク第4の都市オールボーに1974年設立され,学生数14000人,スタッフ1200人,理工学(医学含む)系を中心とした学部と研究科からなる大学です。その構成はユニークで従来の学科の縦の構造と複合領域を担う横の構造を有し,“The Aalborg Model”と呼ばれるPBL(Problem-based Learning)を全学的に導入しており,この教育を実施するために大学の組織や構造,カリキュラムが構成されています。ご講演では、オールボー大学に近年創設された「Center for PBL & Sustainability」の活動内容を中心にお話をいただきます。(参考 http://en.aau.dk/
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パネルディスカッション  テーマ:「技術者教育とESD」


 将来の世代も含めすべての人が幸せに過ごせるような社会づくりに取り組むためには、環境破壊や資源の枯渇など地球規模での問題を避けて通るわけにはいきません。一方、多くの人々が現在の生活の質を維持したいと考えており、さらに質の高い生活を求めたりもしています。
このような中で、社会を持続可能にする方法を議論するためには、さまざまな分野の専門家が必要です。工学の分野でも、この議論に参加できる力を持ったエンジニアが不可欠です。高度な科学技術を切り拓くエンジニアを育てる際には、科学技術の知識に加えて持続可能性の視点も提供する必要があります。
 このパネルディスカッションでは、いくつかの事例に基づいて高専教育におけるESDの目的を明確化するための議論を行います。パネリストとしてお招きする立山マシン株式会社の宮野社長と東洋製罐株式会社の松原課長からは企業の立場で、豊橋技術科学大学の後藤教授と富山県立大学の九里教授からは大学・高専間のESDに関する協力という観点から、釧路高専の佐川准教授と富山高専の本江教授からは実際に高専でESD教育を実践する教員としての視点から、高専における技術者教育の中でのESDについて議論を行います。

★ コーディネーター
後藤 尚弘氏(豊橋技術科学大学 准教授)
 専門分野は、循環社会工学、環境システム工学、環境情報工学。社会における物質フロー(資源消費、廃棄物発生等)を調査・解析することによって、持続可能社会を設計するとともに、企業や自治体の環境パフォーマンスを評価する研究者。環境科学会2010年会にて、理工系学生のための環境教育と持続可能な開発のための教育についてのシンポジウムをオーガナイズするなど、技術者ESDのあり方に関する活動をされている立場から、パネルディスカッションをコーディネートしていただきます。(参考 http://www.tut.ac.jp/

★ パネリスト
宮野 兼美氏(立山マシン株式会社 代表取締役社長)
 富山高等専門学校技術振興会の顧問(第2代会長)として、富山高専の技術者ESDで育ってほしい人材像についてご提言をいただきます。富山高専技術振興会は,産学官協働による知的資源の創造と地域経済の活性化に資するとともに,本校の教育を支援していただくことを目的に活動している、約120の企業や個人から構成される会です。(参考 http://www.tateyama.jp/ma/

松原 毅彦氏(東洋製罐株式会社海外事業部 課長)


九里 徳泰氏(富山県立大学工学部環境工学科 教授)


佐川 正人氏(釧路工業高等専門学校 准教授)
 釧路高専では平成18年度現代GPに採択され、「社会接続問題解決型の環境持続性教育」と題してESDの導入に取り組んできました。この事業では、「ものづくり」から「ひとづくり」へ眼を向けた取り組みのひとつとして、地域と密接にかかわったフィールドワークを行うことにより、そこに潜む環境問題を各グループがそれぞれの視点から発見し、深く見つめ直す取り組みがなされています。このように地域を活かした実践的カリキュラムの実施によって、これまでの専門工学教育に気付けるひと、考えられるひと、議論できるひとへの視点が強く加えられました。この経験を踏まえて、工学教育へのESD導入のありかた、難しさ、問題点についてのご提言をいただきます。(参考 http://www.kushiro-ct.ac.jp/elec/staff/sagawa/GP_LCD_Web/index.html

本江 哲行氏(富山高等専門学校 教授

 本校教務主事、教育技術センター長として、ESDを富山高専の技術者教育に導入することに取り組んでいます。当日は、これまでの経緯を振り返ると共に、今後の方向性について、パネリストの皆さんと意見交換をさせていただきたいと考えています。

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 ワークショップ  テーマ:「高専教育におけるESDの位置づけをみんなで考える」

 このワークショップでは、事例報告や基調講演、パネルディスカッションの成果を受けて話し合い、ESDへの理解を深めながら高専での技術者教育におけるESDの位置づけについて参加者の皆さんとともに考えます。話し合いは参加者すべてがかかわれるようにワークショップ形式で行い、具体的な取り組みに向けた意見交換と共通理解をはかります。
 参加された皆さんが話し合いに自然に加わり、共通理解をスムーズに集約していく目的から、話し合いの進行役として堀公俊氏をお迎えしています。堀氏は、日本ファシリテーション協会の初代会長であり、現在は堀公俊事務所代表として組織コンサルタントをされています。
 高専におけるESDについて、本音で話し合いませんか。高専関係者に限らず、さまざまな参加者が集うことで、実りのより豊かな話し合いになります。さまざまな分野から多くの皆さんの積極的なご参加をお待ちしています。


★ ファシリテーター
堀 公俊氏(堀公俊事務所 代表)
 日本ファシリテーション協会の初代会長、現在は堀公俊事務所代表で組織コンサルタント。話し合いの円滑化に関する著書も多数。(参考 http://www.nikkeibook.com/writer/1615/

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