homeabout 概要network ネットワークcommunity 地域
HOME > ネットワーク > ネットワーク構築 > 2010.6.16
【期  間】2009.10 ~ 2010.3
【担当教員】新開純子(電子情報工学科),津森展子(一般教養科),大橋千里(一般教養科)
目的
 専門性を活かして活躍できる女子学生の育成を目指し、キャリア教育を支援するために、卒業生や県内外の女性研究者・技術者のネットワークを構築し、ロールモデルとなる女性の卒業生の追跡調査や、女性が働きやすい企業の情報を集める。

調査内容
 富山工業高専および富山商船高専の卒業生に対して、アンケート郵送調査を実施した。学科は文系学科(国際流通学科)、商船系学科(航海学科、機関学科等)、工学系学科(電気工学科、機械工学科、工業化学科、金属工学科、電子制御工学科、情報工学科等)からなる。有効回答は男性658人、女性219人であった。回答者の年齢は、 20代男性105人、女性132人、30代男性110人、女性68人、40代男性169人、女性10人、50代男性225人、女性8人、60代男性48人、女性1人、男性で年齢未記入1人であった。また、卒業学科は文系男性2名、女性49名、工学・商船系男性642人、女性164人、出身学科未記入は男性14人、女性6人である。 アンケートの調査内容は、卒業後の就労状況、離職理由、高専教育で充実すべき教育内容、職場環境等からなる。また、卒業生のネットワーク構築を行うために情報提供の依頼も行う。

調査結果
(1)進路状況
 回答者の最終学歴は、高専卒が男性の80.0%、女性の65.2%、専攻科・大学・大学院へ進学者は男性の19.7%、女性の31.5%であった。男女とも高専卒業後すぐに就職している者が多い。

(2)就労の専門性と継続性
 初めての就職で、高専の専門分野に関連した職種に就いた女性は210名中60%、非専門分野は40%であった。男性は656人中専門分野74.1%、非専門分野25.9%であった。専門以外の仕事に就いた理由(複数選択可)の主なものは、男女とも勤務条件、勤務地、専門よりやりたいことがほかにあった、専門の採用がなかったなどであった。自由記述の中には、「就職氷河期で職種を選ぶことができなかった」、「機械系に進みたかったが、女性の採用枠が狭き門であった」、「何をすれば良いかわからなかった」などという意見があった。
 初めての就職の勤務年数は、1年~3年が男性の18.7%、女性の44.8%、4年~10年が男性の23.3%、女性の42.5%、11年~15年が男性の10.6%、女性の8.0%、16年~20年が男性の9.7%、女性の2.8%、21年以上が男性の37.8%、女性の1.9%であった。女性の回答者の約半数が3年以内に転職・離職していることになる。
 女性の文系学科と工学・商船系学科の3年以内の離職率を比較すると、文系学科が62%、工学・商船系は39.5%であった。文系学科の3年以内の転職・離職率が高いことがわかる。
図1に女性の転職・離職の理由(複数回答可)を示す。また、図2に男性の転職・離職の理由(複数回答可)を示す。女性の転職・離職の理由として、結婚、家族の都合、出産、自分の望んでいた仕事内容と違っていた、の順であった。結婚・出産等による転職・離職は、家庭と仕事の両立が難しくなり、家庭を重視しなければならないことによるものである。結婚後の女性の継続就労の難しさが見えてくる。
 男性の転職・離職理由は、その他、職場の待遇、自分の望んでいた仕事内容と違っていた、キャリアアップのため、会社側の事情の順になっている。その他の理由には、「地元へUターン(50代)」、「求人内容と実際の仕事内容が違っていた(30代)」、「学校で学んだ知識を活かす仕事をしたかった(40代)」、「勤務年数が進むにつれて、大卒との勤務条件格差に気づき」などの意見があった。
 男女とも自分の望んでいた仕事内容と違っていたという理由が転職・離職理由の上位にある。このことより、今後は企業の仕事内容等の情報を十分把握できるように、情報提供と進路指導を行う必要がある。



図1 女性の転職・離職理由


図2 男性の転職・離職理由


 また、専門分野へ再就職をした者は、男性の48.4%、女性の34.7%であった。男性の専門分野に就かなかった理由は、専門よりやりたいことがほかにあった、勤務地、勤務条件、専門の採用がなかった、跡継ぎの順であった。女性の理由は、勤務条件、専門よりやりたいことがほかにあった、勤務地、専門の採用がなかった、の順であった。女性の専門分野への再就職は難しいようである。女性の自由記述の中には、「育児と両立できるパートタイムの仕事がなかった」、「自分にできることならなんでもよかった」などの意見もあった。
 次に、仕事を続ける上で必要なことを複数回答可で答えてもらった。その結果を図3に示す。図3は、アンケートの回答者数に対する各項目の回答数の割合を示したものである。
 男女ともコミュニケーション能力が重要であると回答している。次に男性が向上心、忍耐力、専門的知識、体力の順である。女性はソーシャルスキル、忍耐力、向上心、女性に対する職場の配慮の順である。自由記述には、「女性が働き続けるには、配偶者の協力、社会のサポート、会社の配慮が必要不可欠」、「結婚・育児をしながら仕事をするうえで、家族の協力に感謝している」などの意見があり、仕事と家庭の両立の困難さが見える。女性が仕事を続けるためには、職場の配慮も重要な要因であるといえる。



図3 仕事を続ける上で必要なこと



(3)就業率と勤務形態の現状
 アンケートの回答者のうち、現在就労している卒業生は男性626人、女性187人である。その勤務形態は男性の90.4%、女性の11.2%が常勤である。非常勤、派遣、契約社員は男性の0.3%、女性の11.2%であった。

(4)高専に求める教育
 高専で充実させればよいと思う教育を複数回答可で答えてもらった。アンケートの回答者数に対する各項目の回答数の割合を図4に示す。
 男性は専門的な知識と技術、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、語学力を充実するべきであると回答している。女性はコミュニケーション能力、専門的知識と技術、資格取得、一般教養、ソーシャルスキルを充実するべきであると回答している。
 この結果より、男女とも専門的な知識や技術を習得させ、客観的な評価となる資格取得を目指す教育を重視するべきであると考えていることがわかった。さらに、モラルやコミュニケーション能力などの人間力を育成することも高専の重要な教育であることがわかった。



図4 高専に求める教育



(5)女性の職場環境
 勤務しているまたは勤務していた会社で一番高い地位にいる女性の肩書きを質問した。その結果、社長14人、取締役33人、部長165人、課長241人、係長146人などの回答を得た。女性管理職の比率まで調査することはできなかったが、女性の管理職昇格を行っている企業があることがわかった。  次に、職場環境についての7つの質問に「はい」、「いいえ」で回答してもらった。男女それぞれの「はい」と回答した割合を以下に示す。

①女性が働きやすい勤務時間帯系か (男性76.8%、女性65.8%)
②育児休暇等の福利厚生制度が充実しているか(男性79.2%、女性77.2%)
③男女が平等に地位や役職についているか (男性42.4%、女性48.9%)
④ハラスメントに対するサポート体制があるか(男性73.4%、女性67.6%)
⑤女性向けの施設が充実しているか (男性31.2%、女性21.5%)
⑥女性が希望した職種につくことができるか (男性49.0%、女性57.1%)
⑦給与体系で男女差があるか (男性31.8%、女性24.2%)

この回答結果より、女性に対する企業の制度(福利厚生、ハラスメント対策など)に対して男女とも約7割が充実していると思っていることがわかった。また、給与体系に男女差があると思っている人は約3割であることがわかった。また、約5割の人が地位や役職に対する男女の格差があると思っていることもわかった。

(6)女性が働きやすい企業
 女性の働きやすい職場環境を提供している企業情報を質問した。その結果、育児のための短時間労働制度や企業内に託児所を設置している企業名を知ることができた。また、男女共同参画に取り組んでいる企業名も知ることができた。

(7)卒業生のネットワーク構築のための情報
 学生の適性や希望に応じた進路指導を行うための企業情報などを提供する体制づくりや、社会との連携を図るためのネットワーク構築をおこなうために協力可能であると回答した卒業生318人の情報を得ることができた。



このページの先頭へ
Copyright © Kosen Brand Project All Rights Reserved.